青空のむこうに~バスケに恋して~
トージ君は私の頭をぽんぽんとなでた。
涙が止まらない。
「…辛かったんだな。けどもうあきらめる必要ないし。ゆずにはオレがついてる。虎鉄もマホちゃんもいる。だから、もうあきらめるな」
「ありがとう…」
しぼりだすようにそう言って、私は頷く。
まだ涙が止まりそうにない私をトージ君はギュッと抱きしめてくれた。
優しくてあたたかいぬくもりにドキッとする。
「よし、泣いた分だけ頑張るか」
「お願いしますっ!」
ゴシゴシと目をこすり涙をぬぐうと私はまっすぐにトージ君を見つめた。
「まずは、フォームのチェックするか。とりあえず見てるから投げてみ」
「はい」
返事をして、スッとかまえてボールを投げた。
ガツッとリングに当たって落ちるボール。
「…フォームは悪くないか。多分、元々素質はあるんだな…。でも、力少し抜いてみ。ゆずは力入りすぎかも」
「はい」
こうして、トージによる私のフリースローの特訓が幕を開けた…。