青空のむこうに~バスケに恋して~
act.16 芽生えた気持ち
部活をやっていた頃、フリースローを苦手と思った事はなかった。
でも、トージからの特訓を受けて改めてやってみると確率はひどいものだった。
「…こんなに入らないものだったっけ…」
「ゴールを意識するようになったからだろ?いい事じゃん」
ボールを拾い上げながらゴールを見つめて言うと、トージはそう言ってくれた。
虎鉄もそうだけど、トージはよく私を見てくれてる。
悪いところもいいところも全て理解してくれてるようだった。
だから、悪い所は細かく言ってくれて、修正がしやすい。
マサシに教わってた時は、ただゴールに入ればいいやとしか思ってたから、やっぱり全然違う。
「トージ、ごめんね。大事な時期なのに私なんかで時間費やしちゃって…」
「何言っちゃってんの。これも大事な時間でしょうが」
休憩に入り、スポーツドリンクを口にしながら謝る私。
トージは笑いながらベンチに座った。
夏が確実に近づいてきていて、日差しがだいぶきつい。
木陰のベンチに座るとホッとする。