青空のむこうに~バスケに恋して~
汗をタオルでぬぐい、私はカバンの中のケータイを取り出した。
画面を見ても、新着のメールはなかった。
私が問いかけたフリースローの意味の答えはモルからない。
あれから、自分の状況をメールにして送ったけど、返事は一つもこなかった。
多分、モル自身も大会が近いんだと思う。
「あ、そうだ。オレさ、ゆずと友達になろうって言っておきながらメアドとか番号交換してなかったよね」
「…えっ?あ、確かに…」
ケータイを眺めていた私に気づいたトージ。
トージも自分のケータイを取り出した。
「教えてもらってもいいかな?」
「もちろん♪」
断る理由はどこにもない。
赤外線通信で交換して、私はトージの情報を登録した。
「困った事とか何でも、いつでも連絡していいから」
「ありがとう。私も愚痴とかバンバン受け付けるよっ!」
「よし、虎鉄の悪口いっぱい送ってやる」
「えーっ?!」
トージの発言に私はお腹をかかえて笑ってしまった。