青空のむこうに~バスケに恋して~
私はケータイを握りしめた。
「その気持ち、大事にしたらいいと思うよ」
「…うん…」
失うことが怖くて、向き合おうとはしなかった。
私、今度は好きなんだって認めてもいいのかな…?
「じゃ、頑張ってね。明日の予定はまた後でメールする」
「うん。ありがと」
マホに手を振って、私は自転車でたい焼きやに向かった。
もちチーズのたい焼きを3つ買って、コートへと急ぐ。
コートにはすでにトージの姿があった。
遠くから見ただけで、私はドキッとしてしまう。
「…遅くなってごめんね!」
「いーや、オレも今来たとこだし。たい焼き買って来てくれって頼んだしな」
「あ、もちチーズ買って来たよ」
「よし、じゃ、食うか」
そう言ってトージは木陰のベンチに腰をおろした。