青空のむこうに~バスケに恋して~


試合は序盤から白熱したものになった。

わずかに星羽がリードをしている。


「虎鉄ーっ!いけいけーっ!」


人が変わったように応援するマホ。

私もメガホンを使って声はかけるものの、固有名詞は出さない。


トージにも声をかけてるつもりだから。



あの公園でのトージのプレーは見てたから知ってるけど、試合中のトージはもっとすごかった。

シュートする時の滞空時間の長さ。

ドリブルで相手を抜く時のスピード。


パス回しだって相手を見ないでも正確にパスを回してる。



鳥肌がたったのは、ロングシュート。

無駄が一つもないシュートは決してリングに当たる事はない。


確実にネットをパスッと通過する。



「…トージ君、やっぱり天才だ。でも、虎鉄はそんなトージ君知ってる」

「…」


虎鉄も負けてはいなかった。

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