青空のむこうに~バスケに恋して~
本格的に梅雨入りしたって、天気予報のお姉さんが言ってた。
じめじめとした湿気が嫌いで、家の中にいるのも嫌だったからちょうどよかった。
この前買ったばかりの服を着て、ちょっとした化粧をして家を出た。
当たり前だけど、コートには水たまりができていた。
「おまたせ~!」
「おう」
先にトージが来ていた。
私が手を振りながら駆け寄ると、トージは驚いたような顔をする。
「どうかした?」
「ああ、そういや私服姿見たの初めてだったな」
「え?あ、そっか…」
そう言われると、トージの姿もカッコいい。
「んじゃ、映画にでも行くか?」
「うん。そうだね」
二人で駅前の映画館まで歩き出す。
二人きりになったのは初めてじゃないのに、何でかいつも以上に緊張してた。
これって、周りから見たら付き合ってるように見えるのかなぁ?