青空のむこうに~バスケに恋して~
涙が浮かんできて、私は掛け布団を顔まですっぽりとかぶった。
紀子が怒ってたのは、私なんかがトージと仲よくしたからだと思う。
自分より立場的に下の人間が…って。
負けた人間とも言ってた。
そうだよね…。
私はバスケ部から逃げ出した…負けた人間。
それはどんなに頑張ったとしても消えない過去…。
「ゆず?大丈夫…?」
チャイムが鳴って、しばらくするとマホの声がした。
布団から顔を出すと、心配そうな彼女の表情が目に飛び込んでくる。
「よかった、顔色がさっきよりは戻ってるよ。心配したんだから…」
「ごめん…なさい…」
「ゆずが謝る事じゃないから。あれは紀子さんが悪いよ」
ううん、全ては私が悪いんだよ…。
トージと仲よくしたから…。