青空のむこうに~バスケに恋して~


話そうとして口を開いた時、涙が落ちた。


「…モルが、サヨナラのメールを残していなくなったの…。いくらメールを送信してもつながらないの。だから、こんな状態でトージの事を好きだなんて私には言えないんだよ…」

「…」

「私はモルにお礼も言えなかった…。私に光をくれたのはあの人なのに…」


くだらない日常生活のメールのやりとりがどれだけ楽しかったか…。

ちゃんと伝えたかったのに…。


「…なら、なおさら自分の足でちゃんと歩かないとな」


カーテンが開いて、虎鉄が入ってきた。


「え?」

「バスケ小僧は、お前が幸せになれそうなのがわかったから、自分の役目を終えたと思ったんだろ?自分がいなくても、ゆずっこを支える人が周りにたくさんできたから」

「…」

「お前、それを恋愛感情と一緒にすんな。それこそバスケ小僧に失礼だ」


虎鉄の言ってる事は間違ってないとは思う。

でも、そんなに簡単に私は気持ちを切り替える事はできない…。


「ゆずっこ。お前、それでマサシに負けてみろ。同じ事の繰り返しじゃねーか」


その言葉で私の涙が止まる。


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