青空のむこうに~バスケに恋して~
act.19 下された審判
着替えて体育館に行くと、マサシはすでに来ていた。
へらへらと談笑していたヤツは、私の姿を見るとさすがにギョッとした顔になる。
多分、今朝の騒動で私が棄権するんじゃないかって思ってたんだろう。
今日は女子部の練習はないみたいで、この話を聞いた一部の女子部の人間が見に来てる。
サエやカズミ、好子の姿はもちろんの事、翠やリエの姿もあった。
当たり前だけど、紀子の姿はない。
カズミと話していたマサシがこっちへやって来た。
「ケガを理由に勝負を伸ばすかと思ったぜ」
「一日中寝てたからこんなもの大した事ないよ」
マサシの挑発にあえてのった私。
虎鉄がボールを持ってやってくる。
「じゃあ、先週説明したとおり、二人にはこれからフリースロー5本勝負をしてもらう」
体育館に響き渡る虎鉄の声。
さっきまでざわざわとしていたのに、シーンと静まり返った。