青空のむこうに~バスケに恋して~


「負けたほうは一切文句を言わずにこの部から去ってもらう。この条件で間違いなかったよな?」

「ああ」

「…うん」


虎鉄の問いかけにマサシと私は同時に頷いた。


「じゃあ、これはここにいる全員が証人として行なう事にする。じゃ、先攻・後攻決めて」

「葉村。お前好きなほう選んでいいぜ?」

「…じゃあ、先攻で」


余裕そうな表情で私に選ばせてくれたマサシ。

私はお礼も言わずに先攻を選択する。


「じゃ、これから始める事にする」


フリースローラインの手前に立ち、私は虎鉄からボールを受け取った。

笛の音が鳴り響き、私はスッとかまえる。


トージと練習した事を思い出して、何も考えずにシュートを放った。


ボールはキレイな弧を描いてネットを通過する。


完璧なシュートだった。


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