青空のむこうに~バスケに恋して~
もしかして、その事でも私はトージを知らずに傷つけてたのなら、謝らなければならない。
…でも何て?
たい焼きの話はあくまでもおまじないみたいなものだし、それをトージがやったからって、私に告白したっていう事にはならない。
「もちチーズの話を知らなかったから、気持ちに気づかなくてごめんね」
って言うのはおかしい。
自意識過剰だろって言われてもおかしくないもん。
「お。噂の彼が来たぜ?」
「え?」
ベンチに座ってケータイを眺めてた私は虎鉄の声で顔を上げた。
すると、自転車から降りてこちらへ来るトージの姿が目に入る。
「おーっす」
「揃ってお出迎え、ご苦労」
「なんだ、その偉そうな態度」
「偉そうじゃなくて、オレは偉いの」
来るなり、虎鉄とトージの漫才みたいな会話が繰り広げられる。