青空のむこうに~バスケに恋して~
「私はアンタの事、絶対に許さないから…!」
「どうぞ。ご勝手に。私はサエに許してもらわなくてもマサシと付き合うつもりでいるから」
マサシもマサシだけど、カズミもカズミだ。
だけど、サエに同情する事はできない。
カズミは勝ち誇ったように笑うと、教室を出て行った。
「…ざけんな…っ!」
そばにあった机を蹴飛ばして、サエは叫んだ。
怒りがまだおさまらず、こぶしを作ったまま震えてる。
「…人にした事は自分に返ってくる…そういう事だよ」
「…あんた、殴られたいの?」
私の言葉に、サエはギロッと睨んできた。
「私は今のあんた以上に痛い想いをした。辛い想いもした。…だから同情はしない」
「…」
その言葉にサエは振り上げたこぶしをおろして、教室を出て行った。