青空のむこうに~バスケに恋して~
「ゆず…。私、殴られちゃうんじゃないかってドキドキしちゃったよ…」
「…今のサエは私を殴る気力もないはずだよ。友達に裏切られた絶望感でいっぱいで…」
きっと、ひとりでどこかで泣いてるだろう。
わかってても、私はサエに手をさしのべるつもりはない。
今までの復讐っていうわけじゃないけど…。
私が受けた痛みをサエにはよく考えて欲しい。
じゃなきゃ、人の痛みがわかる人間になんかなれないから…。
放課後の部活。
マネージャーの仕事をしながら、半面の女子部をチラチラ見てたけど、サエの姿はなかった。
カズミはいつものように好子と笑いながら部活に励んでる。
孤独にならないよう、好子を先に味方につけたのはカズミ。
彼女の言う事が本当ならば、マサシはカズミの味方だろう。
友情っていうものは、簡単に崩れる。
結びつきが弱ければ弱いほど…。
孤独になって初めて、人の痛みがわかるもの…。
サエは気づくのが遅すぎたね。