青空のむこうに~バスケに恋して~
サエはゴシゴシと涙をふいて私から離れた。
「別に、助けたわけじゃなくて…そういうマサシのやり方が嫌だったから…!」
「ありがとう」
「…なんで…?何でそんな平気な顔してそういう事いえるの?私がアンタにどれだけひどい事したかわかってんの?」
「…自分もされてわかったんでしょ?だから、助けてくれたんでしょ?」
私が聞くと、サエはパッと顔をそらして俯いた。
立ち上がろうとしても腰が抜けて力が入らない。
グイッと虎鉄が腕を引っ張って私を立ち上がらせてくれた。
「…ありがと」
「先生が来いって言ってたから、浜中とマホでゆずっこつれてって。オレはこの割れた部分ふさいでから行くから」
「…あ。ごめん。何も考えないで割っちゃって…」
虎鉄の言葉に初めてガラスを割った事にサエが謝った。
サエでもちゃんと謝れるんだ…?
「派手にやってくれたな。それだけゆずっこのために必死だったんだろうけどな」
笑いながら虎鉄が言うと、サエはプイッとそっぽを向く。
「だから、別にゆずを助けたわけじゃ…」
「名前で呼んでるもの。それが証拠じゃない?」
マホに指摘されて、サエは目をふせた。