青空のむこうに~バスケに恋して~
久しぶりに来た、バスケットゴールのある公園。
ここがなかったら、私はいつまでたってもバスケットから離れたままだった。
「お待たせ。悪かったな、時間とれなくて」
「…ううん。ごめんね、忙しいのに」
自転車からおりてきたトージ。
私は彼にかけよった。
ここ最近あったことは、虎鉄がトージに話してくれたから事情は知ってる。
部活でお互い忙しくて、会える時間がなかったから、騒動があってから会うのは初めて。
トージは複雑な表情を浮かべてる。
「…悪かったな、ゆず。マサシから守ってやれなくて…」
「トージが謝ることじゃないよ。学校違うんだし、私も不注意だったから…」
私はそう言って、トージの制服をつかんだ。
下を向くと、今にも涙が落ちそう。
必死に涙をこらえて強く制服をつかむ。