青空のむこうに~バスケに恋して~
「ちょっと待てって…。何でそう結論出すんだ?」
「虎鉄に言われたの…。モルを探すって事はそれなりの覚悟が必要なんだって。…私、鈍いから、それがどういう意味なのかわかってなかった」
「…モルの事が好きなのか…?」
「そういう事じゃない。でも、私が幸せになる事でモルが不幸になるのなら私はトージとは付き合えない。トージだって…こんな私と一緒にいても幸せになんかなれないから…」
私はトージの制服から手を離す。
「…ゆず。お前、本気で自分が幸せになっちゃいけないって思ってんのか?」
「誰かを傷つける事になるのなら、私は幸せにならないほうがいい…。ごめんなさい」
謝っても許されないってわかってる。
私はトージをいいように利用してしまった事になっちゃうのかもしれない…。
トージは小さなため息をついた。
「…モルがこうなってる事知ったら、悲しむだろうな」
「…」
「いいよ。モルには伝えておく。オレも好きなヤツを悲しませたくないし、何も言わないよ、コレ以上は…」
こんな時にまで優しさをみせないで…。