青空のむこうに~バスケに恋して~
サエは本気で部活に取り組むようになった。
今まで自分の中にあったものを全て消し去るように。
自主練もやってるし、1年生からも慕われる姿を見かけるようになった。
未だに、サエが私に対して正式に謝ってくることはないけれど、一生懸命にバスケットをやる事が私への償いだと本人は思っているようだった。
それでいいと思う。
サエは、自分から私をケガさせた事を先生に打ち明けたんだし、じゅうぶん反省してるはず。
同じクラスにいるけど、私とサエの中にあるわだかまりは完全には消えない。
でもいつか…一緒に笑いあえる日が来るといいね…。
そう思ってるのは私だけかもしれないけど。
カズミは部活をやめてしまった。
相変わらずクラスでは浮いてる存在で、ずいぶん地味になった。
一緒にいる友達の影響力って大きかったんだなっていうのがよくわかる。
サエはクラスで新しい友達を作ったけど、カズミは自分の殻に閉じこもってしまった。