青空のむこうに~バスケに恋して~


「…でも、トージがケータイを二つ持ってただなんて疑いもしなかったなぁ」

「部活関係のメール多くて使い分けてたんだ。けど、お前あの時疑わなかった?モルのケータイ借りて持ってきたんじゃないかってさ」


トージに言われて初めて気づく。

…そっか、そういう手を使われてたって可能性あったんだ…。



…でも…



「あの時のトージは嘘ついてる顔じゃなかったもの…。少しも疑わなかったよ」

「間違いメール装って近づいたオレなのに信じてくれてたんだな。…サンキュー」


そう言ったトージの頭をそっとなでた。


私より背が高いトージの頭をなでるのにちょっと背伸びしちゃったけど。



「ねえ。何でモルってあだ名なの?」

「…ぶはっ」


スポーツドリンクを飲んでたトージは私の質問に驚いたのか、咳き込んだ。



「それ、今聞いちゃう?」

「うん、聞いちゃう」



だって、名前に『モル』って入ってるわけじゃないから由来が気になるもん。



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