青空のむこうに~バスケに恋して~
「じゃあ、ケガを治してそれからまた頑張るしかないね。今回は残念だけど…」
「いえ、あの…」
やめますって言いに来たのに、先輩が言わせてくれなかった。
何を言おうとしてたか、わかってたんだと思う。
先輩は首を横に振って私の肩をたたいた。
「簡単にあきらめちゃだめ。早くケガ治して戻っておいで」
「…」
先輩の言葉がとても嬉しくて、私はうつむいてしまった。
そんな私をカズミ達は冷めた目で見ながら部室を出て行く。
先輩たちも続いて出て行った。
荷物を取りに来たつもりが、まさか引きとめられるとは…。
部室に一人取り残されて私はため息をつく。
その時、サエが急ぎ足で部室へと入ってきた。