青空のむこうに~バスケに恋して~
act.7 バスケ小僧『モル』
結局、メールに返信しなかった。
みじめになりたくなかったし、バスケ部だった事は忘れたかったし。
…でも、もしお父さんの仕事の都合とかで転校になったとしたら、私はまたバスケット始められるのかな…?
…ううん、多分無理。
あの日の出来事はもう、トラウマになってる。
きっと、人の顔色ばかりうかがってて、自分を出し切れないと思う…。
私は臆病者なんだ…。
夏休み終了まで一週間を切った。
課題を全部終わらせたので、久しぶりに中学の同級生と会うために出かけた。
夏の暑さはだいぶ和らいで、秋の気配が少しずつ感じるようになった。
それでも昼間の日差しは厳しい。
私は極力日かげを歩きながら待ち合わせ場所へと急ぐ。
「あっ!柚香ちゃん!」
「…?」
自転車のブレーキ音と共に、私を呼ぶ声が聞こえた。
振り返ると、そこにはサラサラとした長い髪をなびかせたマホちゃんがいた。