青空のむこうに~バスケに恋して~
「柚香ちゃん…?」
「…あ、ごめん!私、友達と待ち合わせしてるから!行くねっ!」
この場から逃げ出したくて、そんな事を言って走り出した。
ばいばーいって言う声が聞こえてきたけど、私は振り返らなかった。
これ以上、マホちゃんの澄んだ瞳に見られたくなかった。
心の中を覗かれてるような気がして、怖かった。
私の中は嫉妬の渦でいっぱいなんだよ…。
私も経験者だったなら…とか、私もあんなに可愛かったのなら…とか…。
おさえようとしても次々と沸いて来る。
肩で息をしながら私は立ち止まった。
そこで初めて後ろを振り返ったけど、マホちゃんが追ってくる様子はない。
ひとまず休憩をしようと思い、カバンからケータイを取り出す。
画面には新着メール有という表示が。
友達からかなと思いながら、受信メールを表示させた。
『こんにちは!この前の返事なかったけど、もしかしてバスケ、嫌い?俺は高校でバスケ部に所属してる』
この前、間違いメールを送ってきた人からだった。