青空のむこうに~バスケに恋して~
そういえば、紀子って星羽の星崎クンって人を紹介してもらうとか言ってたっけ…。
「マサシ君、あの話どうなってる?」
「も~紀子ってば、二学期早々にそれ~?本当、星崎クンにお熱なんだね~」
星崎クンの名前が耳に入った事で、桐沢君が反応する。
「あー。星崎を紹介するって話?俺、あいつあんまり好きじゃないからなぁ。俺より背が低いのに自分が一番上手いって態度とってるからさー」
「ちょっと~。星崎クンに惚れてる紀子の前でやめてよ~」
「アハハ、ごめんごめん。じゃ、何とかするよ。サエの友達の紀子ちゃんの頼みだし♪」
マサシのチャラさには反吐が出る。
怒りでこぶしがプルプル震えた。
「…トージも変なのに目をつけられたか。今に始まった事じゃねーけど」
「…?」
あきれたようにため息をつく桐沢君。
私は不思議そうに首をかしげるだけ。
「ごめん、気にしないで。じゃ、また」
桐沢君は笑顔でそう言うと、教室へと行ってしまった。
私も、サエたちの視界に入らないようにコソコソとしながら教室へ向かう。
一年で一番長い学期が始まった…。