願望恋愛♪ ~もしも・・・~
「どうしたの…?」
いきなりの芳樹くんの行動に
驚いたけど、
それを出さないよう、芳樹くんの顔を見た
芳樹くんは、何も言葉を発さず
私の顔を見つめたまま…
すると次の瞬間…
右手首を引かれ
芳樹くんの身体に引き寄せられた
目の前には、芳樹くんの胸板とともに
微かに
芳樹くんがいつもつけている香りが
鼻をくすぐった
「…ど…うしたの…?」
再び驚いた私の動揺を気付かれないように
その体勢のまま
芳樹くんに問いかけた
「…アニキが…
アニキがいなくても…
オレがいるから…さ…
だから…
いつでも
オレを頼れよ…」
私の頭の上から
ポツリポツリと話す芳樹くんの声
今までの強引な芳樹くんじゃないから
少し、不思議に思ってしまう
「うん…
あ、ありがとう…
今日は少し疲れたから
もう、寝るね…」
キツくもなく
背中に触れていた芳樹くんの腕が
ゆっくりと離された
「あ、あぁ…おやすみ」
芳樹くんが触れていた私の背中の一部が
少しだけ、熱をもっている気がした