お姫様にキスを
「あなたが杜山さん!?」
「あ、は、はぁ…。」
その女の子は、あたしの方へ走ってきて、あたしの手を両手で握った。
ちょ、クラスの視線が…!!
「あたし、宮城 結衣(みやぎゆい)っていうの!」
「み、宮城、さん…?」
「やあだ!結衣って呼んで!」
長いまつげ、大きい目、ぷるぷるの唇。
バッチリきめた化粧に似合う、ちっちゃくて整った顔。
そんな可愛い顔が、今はあたしの顔の近距離にある。
「ゆ、結衣ちゃ、ん…?」
「きゃー!あたしも聡美ちゃんって呼んでいい?!」
「う、うん…」
「やったあ!!じゃああたし達、もう友達だねー!」
…は?