お姫様にキスを
第二章
***
「ね、杜山さん。次ここわからないんだけど。」
「ここは、この問8の応用。だからここを変形してから、代入して…」
「あー!!わかった!じゃあ答えはX=√35だね!」
「ばか。」
「え!?なんで!?」
「ここひっかけ。こういうひっかけはテストとかにもよくでるから。」
「あ"―――!!」
なぜか一緒に勉強をはじめてやく30分。
一緒、というより一方的に質問を受けて、あたしの勉強は全くすすんでない。
30分一緒に勉強して、この小高 恢という男について分かったこと。
名前、おなじ桜花学園1年F組なこと、
あとこいつは真の馬鹿だということ。
…これだけ。