恋の方程式
「おーい、澪?」
聞きなれた、高い声であたしは現実世界へと引き戻された。
「あぁ、未来?」
この、未来っていうのはあたしの中学からの親友。
お姉ちゃんみたいで、頼れる存在。
「あんた、また変なこと考えてたでしょー」
未来には、何でもお見通し。
嘘つくと、すぐバレる。
まぁ、あたしが嘘つくの下手なせいもあると思うけどね。
すぐ、笑っちゃうんだよねー。
どうしたらいいものか!(笑)
でも、あたし人に平気で嘘つく人が大嫌いなの。
彼氏の浮気とかは悲しいよね。
あたしも、中二のときの初彼の時、
彼の家に行ったら女の人の靴が置いてあって、
若い女の子の声がしたの。
すぐに浮気された、って気付いたけど、
すっごいショックで、何日か学校に行けなかった。
その後、別れたけどあの時のショックは忘れられない。


「はい、授業やるぞー」
少しハゲた丸松先生の号令で、あたしの大嫌いな数学が始まる。
しかも今日はテストが返ってくるんだよー。最悪。
「澪ちゃん、大丈夫?顔色悪いよ」
相沢くん!あなたのお顔が眩しいです!
「もしかして、テストの点数が気になるとか?」
当たりです・・・。あたしは何も言えずに頷いた。
「そっか。でも、大丈夫だよ!澪ちゃん頑張ってたじゃん。もし、40点以下とかだったら、俺勉強手伝うし!」
「えっ、本当?」
半信半疑で聞き返したあたしに相沢くんの無差別スマイル!
神様、仏様、テスト様!
どうか、40点以下でありますように・・・。
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