恋の方程式

樹SIDE♥

あ――、俺澪ちゃんに何であんなこと言ったんだろうな…。
『俺の家においでよ』
やっべぇ、俺好きなんだよな。
絶対。
彼女の事。
今、そんなこと考えるとめっちゃ恥ずかしい事しちゃったんじゃ?!
(今更遅い?)

翌朝、俺は澪ちゃんに電話した。
トゥルル…トゥルル…
「あい、澪です」
あい、って。
かわいー。
って、朝から何思ってんの、俺!
「だれぇ~?未来?」
「俺だよ。おはよう」
「ぅん?あぁ゛!相沢くん!?お、おはよぅ…ございます…」
気付くの遅ッ。
「一時に学校で。んじゃ」
ブチっ!
俺は一方的に電話を切った。
待って、やっぱ無理とか嫌だから。


「いってきます」
俺は一人暮らしのマンションを後にした。
母親は俺が五歳のときに他界。
父親とは別々の生活をしてる。
かえって、こっちの方が楽だったりする。
父親は俺の小さい頃から、自分の会社の事ばかりで、俺は勉強もスポーツも、何でもやって、気に入ってもらおうと努力した。
でも、父親は一度も俺を、俺の存在を認めてくれなかった。

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