終わりのない世界に告ぐ。
プロローグ
もし、『死』の存在しない世界があったとしたら……俺達は、その存在を肯定するだろうか。
『死』とは、俺達人間が生まれた時から、常に隣合わせに存在してきたものである。
無論、それは生物が最も恐れていること。
必然であり、恐怖である。
では…―それが一切取り払われた世界は、俺達が望むべき世界なのだろうか。
『死』さえなければ、『幸せ』が生まれるのだろうか。
死ぬまで、いや、人類という生き物が地上から消えるその瞬間まで、その答えは分からない。
もしかすると、消えても尚、その疑問は解決しないのかもしれない。
ただ……『終わりのない世界に告ぐ』。