年上王子様
「へぇ~。じゃあ、次はゆゆの手料理食わせてもらおうかな。」
速水さんは意地悪な笑みを浮かべながら言った。
「あー、信じてないでしょ!ホントにできますよ!でも、その前に速水さんの手料理食べさせてもらいます!」
速水さんの手料理の方が食べたいもん!
私が作ったのなんて、特別おいしいわけじゃないんだし。
「ハイハイ。」
速水さんは笑いながら、棚から鍋を取り出した。
「あ、ゆゆ。何鍋にする?」
ホントだ。
ダシ決めなきゃ。
あ、でも……
「メニューは私が決めたんだし、ダシは速水さんが決めて下さい。」
「じゃあ、ベタに昆布だしでいいか?」
「はい!」
こうやって、いろいろ相談したりするの、
楽しいなぁ…。
なんだか、新婚の夫婦みたい。
速水さんとそんな関係になれたらなー…
なんて、きゃっ!
自分で考えて恥ずかしくなっちゃった!
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