年上王子様
そして、速水さんは恥ずかしそうに目を逸らしながら言った。
「なんか、夫婦みたいだな…って言った。」
速水さんは片手で目を覆って、
「あー恥ずかしい!」と言って床にしゃがみ込んだ。
私はそんな速水さんを無言で見つめた。
まさか、速水さんも同じこと思ってたなんて…。
信じられないよ…。
今まで、私ばっかり
好きな気持ちが大きいのかなって思ってたから。
嬉しくて嬉しくて…
私は本物の涙を瞳にいっぱいためた。
しゃがみ込んで、
速水さんと目と目を合わせた。
「私も…同じこと思ってました。」
私がそう言うと、
速水さんは私の肩を引っ掴み、
ぎゅーっと抱きしめた。
いつもより抱きしめられる力が強いのは、
気のせいかな…?
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