年上王子様

「汝、病める時も、健やかなる時も、この者を愛し、支え、共に歩むことを誓いますか。」
「は、はい。誓います。」
ほわぁぁぁ…。
緊張したぁ…。
「それでは、指輪交換と誓いのキスを。」
私と漣さんは向かい合わせになった。
漣さんが私の左手をそっと取り、
薬指に指輪を嵌める。
ひやっと冷たい金属の感覚を覚えた。
次は、私。
漣さんの大きな左手を取り、
私の指輪よりも一回りも二回りも大きな指輪を薬指に嵌めた。
そして、蓮さんは私の顔を覆い隠すベールを上げた。
視界が一瞬にしてクリアになった。
その視界には今、真っ白なタキシードを着た漣さんしかいない。