年上王子様
え?
今、なんと?
『いいよ。』って言った?
「えっ、あの……」
「そろそろ出ようか。」
速水さんは、伝票を持って席を立ってしまった。
また、はぐらかされた?
っていうか、速水さん?!
今、レジでお金を払っているのは間違いなく速水さん。
ちょちょちょっ!
今日は、私がお礼するために来たのに!
「速水さん!私が払います!」
私は、走ってレジまで行った。
でも……
「ダメ。女子高生に払わせるなんて、できない。」
速水さんはそう言って、私の頭を撫でた。
「でもっ…」
それじゃあ、お礼にならないよ…。
「こんなピチピチの女子高生と食事しただけで、俺はすげー得した気分だから。」
速水さんは、ニヤリと笑った。
なんか、エロ親父みたい。
「あ、今、エロ親父みたいって思っただろ?」
えっ、バレてる?!
「ゆゆはわかりやすいんだよ。」
速水さんはそう言って、ハハッと笑った。
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