年上王子様
「あの、この人に会いたいんですけど…」
私は、前にもらった名刺を出し、言った。
すると、お姉さんは一瞬驚いた顔をし、
少し嫌そうな顔で、
「かしこまりました。少々お待ち下さい。」
と言った。
なんか、棘のある声だな…。
お姉さんは電話で話している。
相手は、速水さん?かな?
「お待たせいたしました。すぐにこちらに来るとのことです。あちらのロビーでお待ち下さい。」
と言われ、椅子と机のセットがいくつかあるロビーを示された。
来てくれるんだ。
邪魔じゃなかったかな…。
今さらながら不安に思う。
「ありがとうございます。」
私がそう言うと、お姉さんは軽く頭を下げた。
私がロビーに向かう途中、
受付ではお姉さんが私を睨んでいた。
「なんであんなガキが速水さんと知り合いなのよー?!」
「ほんと!私なんて、話したこともないのにっ!」
うわぁ…。
速水さん、モテモテなんだなぁ。
やっぱ、あれだけカッコいいと、これだけモテるんだ。
すごいな…。
< 37 / 152 >

この作品をシェア

pagetop