年上王子様
もう、いきなりとか、不意打ちとか関係ない!
言っちゃうもんね!
「私、速水さんが好きです。」
私は、静かに、でもはっきりと言った。
速水さんは目を大きく開け、固まっている。
「私、速水さんに会ってから速水さんのことばっかり考えてたの。」
気持ちをひとつひとつ言葉にしていくと、
涙が溢れてきた。
なんでなんだろう?
「『好き』って言われた時、すっごく嬉しかった。私、速水さんの彼女になりたい。」
この言葉を言い終わった時には、涙がこぼれていた。
速水さんはその涙を、指で優しく拭ってくれる。
「俺も、ゆゆの彼氏になりたい。」
速水さんはそう言って微笑んでから、
私にキスをした。
これが私のファーストキス。
優しく、甘く、幸せなキス。
それから私達は抱きしめ合った。
< 42 / 152 >

この作品をシェア

pagetop