年上王子様
「声だけ?」
速水さんは、さっきより少し低い声で言った。
「いっ、意地悪!全部…です。」
声だけじゃないに決まってるよ…。
優しいところも、
ちょっと意地悪なところも、
強引なところも、
あったかい腕も、
爽やかな香水の香りも、
全部全部ぜーんぶ、好き!!
「ははっ、わかってる。俺も、ゆゆの全部が好きだよ。」
速水さんは、また笑って返してくれた。
きゃー!
全部が好きって言われちゃったー!
嬉しすぎて死んじゃう…。
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