年上王子様
「さ、車乗って。」
速水さんはサッと、助手席のドアを開け、
私を促した。
速水さんも運転席に乗って、
エンジンがかかる。
「ゆゆ、行きたいとこある?」
行きたいとこ…。
前から憧れてたんだけど、
子供っぽいって思われるかな…?
でも、憧れだったんだし、
ダメ元で聞いてみよう!
「水族館、行きたいです…。」
私は、ボソッと言ってみた。
だけど、速水さんは何も言ってくれない。
やっぱりダメだった?!
「だっダメですよね?!どこでもいいです!」
「いや、違うんだ!水族館なんて久しぶりだなーって。」
あ、なんだ。
そういう意味か。
よかったー…。
ダメじゃなかった。
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