年上王子様
「私、デートで水族館に行くの、憧れだったんです。」
「へぇ…じゃあ、俺が初めてなんだ?」
「はい…」
私は、自分の初めてを、
全部速水さんとできたらいいなーなんて思った。
「じゃあ、ゆゆの初めては全部俺がもらう。」
速水さんは、前を見ながら真剣に言った。
ほんとに…?
私もおんなじこと、考えてた…。
それだけで私は嬉しくなった。
私は嬉しすぎて何も言わなかった。
速水さんも何も言わなかった。
でも、その時間は、なぜか幸せに包まれた。
「はい、到着ー。」
水族館に着いた。
やったー!
ついに憧れの水族館デートだー!
私は嬉しくて、つい走り出してしまった。
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