年上王子様
「放してもいいけど、これからはゆゆに触らない。」
えっ…
それって、どういう…
「抱きしめたりとか、キスしたりとか、しない。」
えっ…?
それは…嫌だ…。
私、抱きしめてほしいよ…。
毎日でも、何時間でも…。
速水さんは、立ち止まっている私を置いて先を歩いて行く。
一人残される私。
私の目には涙が溜まってきた。
でも、自業自得だよね…。
付き合ってるんだもん。
手をつなぐなんて当たり前のことなのに…。
私が子供なのがいけないんだ。
私のわがままのせいで…。
私は座り込んでしまった。
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