奴
・・・・・・・?
気のせいだろうか‥
誰かに睨まれているような、監視されてるような、痛いほどに刺さる視線を感じ、そっと辺りを見回した。
一瞬‥
品の良い婦人と目が合った気がしたが、穏やかな佇まいに気のせいだと思いなおした。
人波に流されながら、目的地まで漂いながら歩いていると‥
いつのまにか隣には先刻の婦人が歩幅をあわせすり寄ってきていた。
一瞬!
恐怖を感じたが、見知らぬ人であった為、少し歩調を遅らせると先を歩き始めたので、やはり気の迷いだったのだと少し可笑しくなった。
怯える意味が見出せず、ランチを楽しみに足取りは軽やかになっていった。