また、明日~天使の翼を持つキミへ~


強がってはみたものの、やっぱり前の席の2人のことが気になる。


頬杖をついて2人を観察。


自然と眉間にしわが寄ってきて、授業どころじゃなかった。





「おまえさ……」


授業終了のチャイムが鳴ったと同時に、親太郎がクルリとあたしを振り返った。


「………」


あたしは不機嫌なことを見抜かれないように、何事もなく教科書を机の中にしまった。


それなのに


「どんだけ俺の背中見れば気が済むんだよ」


やっぱり、あたしのことなんて親太郎はやすやすと見抜いちゃってて。


それはもう、本当に、悔しいくらいに。


「そんなに心配しなくても、俺は大丈夫だよ。
何かあれば、おまえにすぐに言うから」


鋭いのかと思えば、“超”がつくくらい鈍感で。


それも心配だけど、今はそうじゃないんだよ!!


そこ気づけよ、バカっ!!



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