また、明日~天使の翼を持つキミへ~
「菜緒。購買行こうぜ」
昼休み。
あたしの席をクルリと振り返った親太郎が言った。
「うん。今日はなに食べようかな〜」
「おまえ焼きそばパンにしろよ、俺コロッケパンにするから。半分ずつ食おうぜ」
「えー。あたしに選択権はないの?」
「じゃあ、なに食いたいんだよ」
「…別に、これといって何もないけど」
「じゃあ、いいじゃん」
ニヒっと笑う親太郎。
もう……
いい事にしといてあげる。
その笑顔に免じてね。
「あ、ごめん。ちょっと待ってて」
あたしは女子トイレの前で親太郎に言った。
持っていた財布を親太郎に渡し、急いで中に入る。