また、明日~天使の翼を持つキミへ~
瑠奈とは、片山さんの名前。
やっぱり、片山さんは今でも親太郎のこと……
「それはわかってるんだけど、何だかちょっと心配で……だってほら、あたし席隣じゃん」
「だから、調べたけどそんなこと全然書いてなかったじゃん」
「そうだけどぉ……」
何の話をしているの?
あたしは、話がよく聞こえるようにドアに耳を近づけた。
蛇口から流れる水の音であまりよく聞き取れないけれど。
その内容は、あまりにもショックで、信じられないものだった。
「うつっちゃうんじゃないかって、心配で……」
……は?
うつる?
「だーかーらー、瑠奈考えすぎだってぇ。そんなのうつるわけないじゃん」
「でもっ……」
片山さんは、何かを言おうとして言葉を飲み込んだ。
「瑠奈、前はあんなに三浦くんのこと好きだったのにね」
薄っぺらい女子の声。
頭に血がのぼった。