また、明日~天使の翼を持つキミへ~



「大丈夫だって。そんなに心配なら、病院行って検査してもらったら?」


「……うん」



じゃあ、何?


親太郎が話しかけても素っ気なく返事してたのは、ただの照れ隠しじゃなかったってこと?


遠くから見てたのは、病気がうつりそうで怖いから?


ふざけるのも大概にしろ。


今まで親太郎はどんな思いで治療に耐えてきたと思う?


自分にはやりたいことが山ほどあるからって。


仲間に支えられて、ここまでよくなったんだよ。


それを……


絶対、許さない……





「おーい、菜緒ぉ!! 早くしねーとパン売り切れちまうぞぉ!!」



親太郎の声で、ハッと我に返った。


慌てて個室のカギを開け外に出ると、もう片山さん達の姿はなかった。


悔しい。

悔しすぎる。


あんなこと言われたまま、黙ってられない。




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