また、明日~天使の翼を持つキミへ~
やっぱり、親太郎は鋭い。
どこまで気づいてる?
あたしの顔色だけ?
それ以外は、気づいてないよね。
気づかないでね。
そこは、鈍い親太郎でいて……
「おまえ、好きだろ? それ」
あたしは何も言わずに頷き、親太郎からサンドウィッチを受け取った。
あたしの好きなものは何でも知っている親太郎。
サンドウィッチをギュッと握ると、微かにビニールが音を立てた。
「早く食って、音楽室行こうぜ。今までの遅れを取り戻さねぇとな」
親太郎はそう言って、あたしの頭にポンと手を乗せた。
触れた部分が、温かくなる。
と同時に、痛いくらいに締め付けられた。