また、明日~天使の翼を持つキミへ~
ガラガラっと音を立て窓を開けた親太郎が目を吊り上げた。
「何よその態度。悪いのはそっちでしょ?」
あたしも負けじと目を吊り上げる。
「だーかーらー、悪いと思って急いでんじゃねーかっ!!」
「悪いって思うならねっ、最初から遅れずに準備しときなさいよっ!!」
ジッとお互い睨みあった。
その間にも、親太郎はズボンのベルトをしめていて。
まぁ、こんなやり取りも久しぶりだから許してあげるけど。
こんな口喧嘩さえ嬉しいと思ってる、あたしに感謝することね。
そうじゃなかったら、今頃親太郎なんてギッタンギッタンのボッコボッコなんだから。
「30秒」
「はっ!?」
「あと30秒で下までおりてきて」
「はっ!? ちょ、待て!! あと30秒!?」
「いーち、にーい、さーん、しーい、ごーお――」
あたしが本気で数を数え始めると
「うわっ!! マジかよっ!!」
またガラガラっと乱暴に窓を閉め、上着を羽織って部屋から出て行った。
それを見送ったあたしも、出発の準備をする。
ニヤける顔をこらえながら。