また、明日~天使の翼を持つキミへ~
バスは、公園の入り口のすぐそばで停まる。
お弁当の入ったバッグを抱え、親太郎と一緒にバスを降りた。
「おー!! 久しぶりに来ると、やっぱ空気うめぇなー」
親太郎はバスを降りてすぐ、深呼吸をし、両手をグッと空へ伸ばした。
「ホントだねー。ていうか、親太郎寒くない?」
さすがは山のてっぺん。
少し肌寒かった。
もう一枚、何か羽織ってくればよかったかな。
「ハックションっ!!」
親太郎の心配をしておきながら、くしゃみをしてしまったあたし。
親太郎が呆れた顔であたしを見ていた。
「言ってるそばからこれだよ……。俺の心配はいいから、おまえは自分の心配してろ」
そう言って、親太郎は自分のマフラーをあたしの首にかけてくれた。
「いいよ。親太郎が寒くなっちゃう」
「俺は平気」
ニコッと笑い、親太郎は頭のニット帽を指差した。
「俺にはこれがあるから、あったけーよ」