また、明日~天使の翼を持つキミへ~


「このおにぎりも久しぶりに食べるとかなりのボリュームだよなぁ」


親太郎が、田沢家のおにぎりを手に持って眉を寄せた。


それも無理はない。


田沢家のおにぎりはどういうわけか、昔からおにぎりの中に具を入れるのが当たり前だった。


例えば、今親太郎が食べているおにぎりの中にはミートボールが。

あとは、卵焼き、ソーセージなどがある。



「でもまぁ、これを食うと何か得した気分になれるから嬉しいよな」


あたしは眉を上げ、首を傾げた。


「だって、他のおかずも食えるし、おにぎりの中にはすでにおかずが入ってるし。超豪華弁当じゃん。だから好きなんだよな、菜緒の弁当」



――ドクンっ!!


あたしは、親太郎のその笑顔の方が好きだよ。


それこそ、超豪華じゃん。


あたしは親太郎の笑った目元が好きだし、それに右頬のえくぼだって好きなんだから。


こんなにあたしをドキドキさせてどうするの?


まだ夕方じゃないから、顔の赤みを隠せないじゃん。


親太郎のバカ――。




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