また、明日~天使の翼を持つキミへ~
「な、なに言ってんだよっ」
親太郎の目が泳ぎ出した。
「バカなことばっかり言ってんじゃねーよ」
「本心だもん」
「………」
「ありがとう」
あたしは、まっすぐ、親太郎の目を見た。
目を泳がせていた親太郎も、あたしと目が合うと、もう逸らさなかった。
「親太郎が頑張ってくれたから、今があるんだよ」
「………」
「親太郎が辛い治療に耐えたから、桜島の有難みにも気づけたし、ここからの景色がこんなに輝いていたんだってことにも気づけた」
「………」
「全部、親太郎のおかげだよ」
「菜緒……おまえ」
「あたしね、感謝の気持ちを込めて手紙を書いてきたの」
「……え?」
「でも、ちょっと恥ずかしいから、家に帰ってから読んで」
あたしは手紙を親太郎に渡し、『絶対だよ』と、念を押した。