また、明日~天使の翼を持つキミへ~


日曜日、文化祭当日はため息が出るほどいい天気になった。


風が吹くとちょっと肌寒いけど。

今日のあたし達はやる気で燃えているから。

寒さなんて関係ない。


グラウンドには模擬店が並び、他校の生徒や呼び込みの生徒で溢れ。


教室では各クラスの催し物で賑わっている。


そして、体育館では。

合唱や演劇、漫才などで盛り上がっていた。


親太郎達の出番は午後から。


音楽室で最終調整をしている4人は、緊張でガチガチなんじゃないかと思いきや、堂々と胸を張って今か今かと出番を待ちわびていた。


あたしも、舞台の上で使うものが抜けていないか最終チェックをした。


すると、あたしの背後で何やらコソコソと小さな声が聞こえた。


聞こえないふりをして、耳をダンボにする。



「ほらっ、おまえ行けって」


これは拓海くんの声だな。


「いいって!! 押すなよっ」


こっちは親太郎。


「おっまえ、せっかくの文化祭なのにずっとここに閉じこもっとくつもりか?」


何の話し?


そう思いながらも、作業の手は止めずにいた。




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