また、明日~天使の翼を持つキミへ~
「昼過ぎまでに戻ってくればいいんだから、田沢誘って回ってこいよ!!」
「はっ? 2人で?」
「2人で行かないでどうするんだよ!! 田沢だってきっと一緒に回りたいはずだぜ?」
拓海くん。
聞こえてないつもりだろうけど、そのコソコソ話全部丸聞こえだよ?
でもまぁ、その通りだから許すけど。
さぁて、親太郎はどう出るかな?
素直に誘ってくれる?
あたしは、いかにも今全てチェックし終えましたと言わんばかりに、立ち上がった。
親太郎が誘いやすいように、わざと。
さぁさぁ、あたしを誘うなら今だよ。
腰を痛めたふりをして、少しひねってみる。
そのすきに、親太郎の表情を瞬時にチェック。
おーおーおー、考えてるよ!!
唇を噛みしめて、何か難しい顔をしてるよ。
あたしは、その表情がおかしくなって肩をすくめて小さく笑った。
「おいっ!! 菜緒っ!! おまえ性格悪いぞっ!!」